2017年1月にメジャーデビューを果たし、今まさに凄まじい勢いで日本のミュージックシーンに風穴をあけ続けているTHE RAMPAGEのパフォーマー長谷川氏と後藤氏。すでに出来上がっているであろうグループは、16人という個性の集まりによって常に至高なものを追い続ける姿勢を崩さず日々進化している。稀に見るメンバー数を誇るグループに所属する両氏のクリエイティブな視点や今の気分が気になる。

1.クリエイションする上での楽しみ

EXILE TRIBEの中で、最年少且つ一番の人数が所属するTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE。メジャーデビュー後、その存在感はもはや説明不要とも言えるほど頭角を現している。16人というメンバーの多さゆえのステージングは世界でも類を見ないほど、圧倒的なパワーと緻密な構成で体感した人すべての心の中に刻まれる。
見る人の心の奥底に響き、楽しませてしまうパフォーマンスの根源となる、その彼ら自身の楽しみとは?

佐藤「もちろん踊っている時が一番楽しいと思いますが、ステージやツアー全体をクリエイションする上での楽しみはどこにありますか?」

後藤氏「踊っている時はもちろん楽しいです。それと同じくらい僕はダンスを見ている時がとても楽しいです。自分がクリエイトしている話とズレてしまってすみません。。ですが、まず伝えたいのはここですね。」

佐藤「意外といえば意外ですが、とても分かります。僕もサーフィンをやっているのですが、海に入っている時ももちろんですが、映像などで好きなサーファーを見るのも好きです。」

後藤氏「共感していただけて嬉しいです。やっぱ好きなんですよね、ダンスが。」

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佐藤「楽しみにも通じるかと思いますが、何か意識していることやこだわっていることってあります?」

佐藤の率直な質問にこう即答してくれた。

後藤氏「”初めての感覚で捉える”ということを強く意識しています。例えば、渋谷のスクランブル交差点を歩いたり、渋谷の街を歩いている時に、何度も歩いているところなので見慣れてしまっている風景なのですけど、今は初めて歩いている感覚で街を見ています。外国の観光客の方のように。そうすると、ヒントがたくさんあるんですよ、東京という街は。そこからかなりインスパイアされて、何かを作る時に活かしています。ほんとヒントが山のようにありますね。」

佐藤「その感覚素晴らしいと思います。僕も常にアンテナを張っているつもりでしたが、初めての感覚というのはすごく良い意識ですね。」

後藤氏は当たり前のように話すが、その感覚でいることの難しさは容易に感じられる。

佐藤「後藤さんたちが踊っている時は、当然見てくれている人がいますよね。ご自身が見る事が楽しみという事なので、見る側の人の気持ちもとらえやすいと思うのですが、何を一番伝えたいですか?」

後藤氏「パッションですね、情熱的と言いますか。すべての作品には僕が持つエネルギー全部を常に注ぐので、その僕のパワーやバイブスを感じて頂けると嬉しいですし、それを届けたいですね。」

初めての感覚での吸収力、そこから生まれたものを全精力を注いでのパフォーマンス。取材が始まって早々ながら熱量をとても感じる。そして同様の意識なのかと思うくらい、隣でうなずく長谷川氏もまたストイックに追求しているのであろう事がうかがえる。

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佐藤「長谷川さんはどんな楽しみを感じていますか?」

長谷川氏「形にしていく過程と形になった時に楽しさを感じます。僕は子供の頃からずっとパフォーマーになることを夢見て、ダンスをやってきました。ひとつ夢が叶ってアーティスト活動をさせて頂いているのですけど、パッケージ制作やMV制作、もちろんライブを作るという事含め、形になった時に楽しさと一緒に喜びも強く感じます。」

佐藤「確かに、過程も完成した時の両方に通じますね。例えばライブを作る過程にはどんな楽しみがあります?」

長谷川氏「僕たちは16人メンバーがいて、必然的に色々な多くの意見が飛び交います。頭が16個あるので。個性がとにかく強い16人なので、まとめるのは正直大変な部分もありますけど、気づきの方が多くあります。」

佐藤「気づきとはどの様な?」

長谷川氏「それぞれが常にアンテナを張ってインスパイアされたものや考えたことを出し合うので、毎回メンバーの考えに驚かされます。そういう捉え方もあるのか。とか、そういう表現もあるのか。という気づきは本当に毎回あります。僕もタクマが言っていた様に初めての感覚で捉えてインスパイアを受けているので、負けじと言いますけどね。笑」

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佐藤「メンバー内で意識が共通しているのは素晴らしいですね。お二人が思うTHE RAMPAGEらしさってどう言ったとこにあると思います?もしくは意識しています?」

後藤氏「2つあると思っていて、まずは若さですね。
EXILE TRIBE内で一番下の世代なので、ファッションもそうですしもちろんパフォーマンスも若さというのが武器になると思います。」

佐藤「大きな武器ですね。今しか出来ない表現ってありますもんね。」

後藤氏「ほんとそうです。もうひとつは16人という圧倒的な数ですね。16人でしか出来ないステージングや構成は僕たちの最大の強みです。さっきマコトも言っていた通りで、ライブ作りの話をしている時に16個の頭があってそれぞれ違くて、それをひとつにまとめて表現する事ってあんまり出来ないというか聞いた事も見た事もほとんどないですね。それは無敵だと思っています。」

佐藤「確かに、それは強いですね。長谷川さんはどうですか?」

長谷川氏「タクマと同じになってしまうんですけど、やっぱり若さと人数です。16人が一気に踊った時のインパクトってかなりあると思います。圧というか、パワーが違うんですよね。個性的なメンバーが16人も集まっているので、なおさらですよね。苦笑。」

若さと人数という強み。ともすれば当たり前の様に思われてしまう可能性もあるが、ただの若さだけではなく並外れた感覚を持った若さととても強い個性を持った人が16人もいるグループは良い意味で脅威を感じる。
こう続けてくれた。

長谷川氏「表現は適切ではないかもしれませんが、パフォーマンスをしている時はいつもこれで倒れてしまってもいいと思うくらい全力でパフォーマンスしています。魂込めて。」

後藤氏「ホントそうですね。自分たちで限界を作らないというか、今の一瞬一瞬を全力で生きるみたいな感じです。」

佐藤「すごいパワーですね。ライブで全国を回っていましたよね?」

長谷川氏「武者修行として、1ヶ月ほど全国をライブしながら回らせて頂いたのですが、毎回全力です。3グループに分かれたので人数は少ないですけど、THE RAMPAGEの看板を背負っているので全員で回っている感覚と責任感でやっていました。毎日ライブをするので、パフォーマンス力と表現する力はかなりレベルアップできたと思います。」

後藤氏「パフォーマンス力は上がりましたね。少人数で回るのでフォーカスされる部分が多くなって、意識もさらに高くなって人間的な部分も成長できたと思います。

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2.ファッションのこだわり

次世代という表現が適切かは置いておいて、東京をベースに活躍する次世代のアーティストが思うファッションへのこだわりとは?

後藤氏「まずひとつは、疑う事です。」

佐藤「いきなり深いですね。かなり気になります。」

後藤氏「話してみるとシンプルなんですけど、流行とか周りの意見や情報をそのままに捉えないという事です。同じ様な服を着ることでのコミュニティ感とかが苦手で、悪い意味じゃないですよ。もちろん流行している服も好きな時もありますし。服を買う時は手にとった時や見た時に自分の中で電気が走った時に買います。それが流行のものの時もあれば、違う時もあります。」

佐藤「プレスという仕事としては、興味深いと同時に難しさも感じます。」

後藤氏「僕、理想なファッションが”財産を着る”っていうのが一番カッコいいと思っています。民族の衣装だったり、軍服だったり、その人の生活や誇りを身に纏うってすごく惹かれます。」

佐藤「すごくいい話ですね。」

全く共通点が見えない、まさにTHE RAMPAGEの個性の強さを目の当たりにするほど対照的なファッションの2人。長谷川氏のファッションへのこだわりとは?

長谷川氏「子供の頃から洋服がすごく好きで、いつも意識していました。今はスケーターファッションが好きです。ブランドでいうとSUPREMEが好きです。今の物より10年くらい前の物が好きですね。こだわりはブランドの背景やストーリーをしっかり調べてそのブランドを理解した上で着る様にしています。」

佐藤「僕たち世代が憧れていたり、やってきた事を同じ様にやってくれていて嬉しいですね。」

長谷川氏「僕もタクマと同じで電気が走った時に買うんですけど、昔の物が特に好きだし、電気が走ります。これも古着なんですけど、SUPREMEにしても古着にしても。」

それぞれ違うこだわりを持ちつつ、本質的なところは共通項があると感じた。

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3.好きなスニーカーについて

佐藤「単刀直入ですけど、どんなスニーカーが好きですか?」

長谷川氏「僕は今VANSがめちゃくちゃ好きです。ナンバーの古いエアジョーダンとかも履いていた時もありましたけど、スケーターファッションに目覚めた時からこのファッションに合う靴ってなんだろうとか、スケーターの人は何を履いてるんだろうって色々見ていた時にVANSがとてもカッコよくて今はほとんどVANSですね。」

佐藤「モデルは今履いているAUTHENTICが好きですか?」

長谷川氏「好きですね。OLD SKOOLとかSK-8HIも履きますし、特にVALUTラインが好きです。色も前はモノトーン系が多かったですけど、今はいろんな色に目がいくようになりました。」

佐藤「ダンサーの人達もVANSを最近多く履いていますよね。後藤さんはいかがですか?」

後藤氏「僕もエアジョーダンが好きで、特にエアジョーダン1なんですけど。エア・フォース1も履きます。なので、ブランドだとNIKEが好きですね。」

佐藤「勝負靴ってあります?あえてダンスの時ではなく、ファッションとして。」

長谷川氏「僕はVAULTの青いOLD SKOOLですね。。インソールが赤いモデルなんですけど。めちゃくちゃ好きで、良く履いています。」

後藤氏「ジャーマントレーナーというドイツ軍の靴です。今履いているんですけど。マルジェラとかもフックアップしたりしてるモデルですね。」

佐藤「スニーカー好きな証拠ですね。」

スニーカー人生は、まだまだこれからな2人の気分の移り変わりが見ることが出来た。情報や物が逢ふている時代で、これからはどんな気分になっていくのかが興味が湧いてきた。

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4.BILLY'S RECOMMEND gravis“CLAYMORE”

佐藤「1998年に創設された2人と同い年のブランドで、今までのイメージをベースに去年から新しい事にチャレンジしている、注目度大のブランドにビリーズが別注をお願いして一緒に作らせてもらったモデルなんですけど、まずは率直な感想として、いかがですか?」

長谷川氏「僕は水色ですね。」

後藤氏「僕も水色です。」

佐藤「意見が合いましたね。笑。理由は何ですか?」

長谷川氏「タクマもそうだと思いますけど、直感です。」

後藤氏「まさに直感です。」

長谷川氏「スケーターファッションに合いそうだなって思いました。もちろん他の色も好きですけど、この水色は特に合いそうだなって。」

後藤氏「僕はスケーターファッションはあまりしないんですけど、何にでも合わせやすそうだなって思いました。」

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長谷川氏「この素材って何を使っているんですか?」

佐藤「これはコーデュロイですね。作る時にデザイナーと話をしていて、特にこだわっている部分がヴィンテージ感を強く出したいというところで、この素材感だったりあえて少し色をくすませているところがポイントですね。」

長谷川氏「そういうの僕ヤバいですね。めちゃくちゃ好きです。」

佐藤「ヴィンテージのバギーパンツにありそうな素材感だったり空気感を演出したかったっていう思いを込めて作っていきました。本来なら秋冬にハマる素材感ですけど、あえてこの素材で夏にリリースするというのもチャレンジして見たくて。先ほど後藤さんが言っていたのと近いですけど、疑うという意味とメッセージを込めて。」

後藤氏・長谷川氏「そのストーリー性とこだわりヤバいです!」

佐藤「嬉しいですね。そこにはかなりこだわったので。」

長谷川氏「先ほど言った通り、ストーリー性とか背景を知れば知るほど好きになるので。正直gravisというブランドをあまり知らなかったんですけど、もうすでにかなり気になります。」

佐藤「実はインソールにもこだわっていて、普通のスリッポンより厚めに作っています。履き心地もしっかり考慮して、そこにも自信があるモデルですね。」

長谷川氏「色はこの3色のみの展開ですか?白とか黒は無いですか?」

佐藤「はい。この3色のみです。そこもチャレンジというか奇をてらいたくて、あえてこの3色にしました。定番モデルへのリスペクトはもちろんありますしモデルも多く扱っていますが別注モデルなので、新しいことへ挑戦しているビリーズとしての発信も同時にしたいという思いもあります。」

長谷川氏「履いてみていいですか?僕スリッポンを履いたことなくて。水色履きたいですね。」

後藤氏「僕もいいですか?今日のコーディネートだと茶色が履きたいです。」

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佐藤「もちろんです。いかがですか?」

長谷川氏「めちゃくちゃいいですね!やっぱりスケーターファッションに合いますね。」

後藤氏「すみません、、正直思っていたよりとても履きやすいです。見た目もカッコいいです!」

佐藤「例えばですけど、この靴のここをこうしたいとかありますか?」

後藤氏「それ面白いですね。んー僕だったらワントーンにしたいですかね。ソールまで同じ色統一で。あとはガムソールとか。」

長谷川氏「僕はソールを黒にしたいですね。アッパーが明るい色でソールが黒い靴が好きです。あと、もっと明るい水色も見て見たいですね。この素材感ならではのこの色味も好きですけど、派手な色味も良さそうですよね。」

正直ここまでの反応は予想していなかった。ブランドを知らなくともこだわりやメッセージが込められたものに対して、熱量は今までと同じように無邪気に反応してくれた。

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5.CHOICE

長谷川氏 VANS “AUTHENTIC”
後藤氏 converse “ALL STAR low”

佐藤「今回選んでもらった靴は定番モデルですけど、やっぱり定番に回帰してくのですかね?」

長谷川氏「すみません、、結局そうなりました。苦笑。大きな意味でやっぱり全てはここから始まっているというストーリーも込みで。シルエットも好きで、この靴があれば洋服を攻められて、うまくまとめてくれますよね。」

後藤氏「僕もその通りで、基礎だったり原点は大切だと強く意識しているというメッセージも込めさせていただきました。ずっと履いています。ダンスをする時の勝負靴でもあります。」

温故知新という言葉でくくってしまって良いものか迷うほど、新しい感覚と古き良き感覚を兼ね備えながら、自分の中で咀嚼することで自身の考えをしっかりと見出し迷うことなくはっきりとした口調で終始語ってくれた両氏からは芯の強さを感じた。同じような感覚を持った16人もの個性が集まりひとつにまとまっているTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEに興味がさらに湧いた。

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Interviewer : BILLY'S ENT PR 佐藤
Photo : Akira Onozuka
Writer : Yusuke Kigawa (ALLTHUMBS inc.)