カート

BILLY'S Meet Tokyo Creator

daisuke araki stylist スタイリスト熊谷隆志氏に師事し、2001年に独立。数多くのファッション誌や、タレント、ミュージシャンのスタイリングを手掛ける人気スタイリスト。アメカジをベースに、その時のトレンドをその時の気分でMIXさせたスタイリングで、絶大な信頼をもつ。おおらかな人柄で世代を問わず人望が厚く、ファッションへの情熱は人一倍強い荒木氏が、その間違いない視点で見てきた物や感じた事を語ってくれた。

Q. 今、一番楽しいことはなんですか? 自分に対して素直にストイックになれる、サーフィン。

ある特定の人やモノをカッコ良くより良くユーザーへ伝える為に日々ストイックに、ある意味荒木氏らしくナチュラルに、日々多忙を極めクリエイトしている氏は、趣味 である海に入る事を話してくれた
「サーフィンですね。海に入る事で気持ちがスゴくニュートラルになるんですよね。全然上達しないですし、、、(笑)。その上達しないあたりが僕的には一番の魅力ですね。シンプルに、どれだけ時間を費やしたかというところが如実に出るところがたまらなく好きです。ただ時間を費やせばいいという事でもなく、考えて臨まないと意味が無いのですが、、。ほぼ毎回そうなのですが、結局波に負けちゃうんですよ。悔しい気持ちももちろんありますが、そこで自分の小ささを思い知らされるんですよね。いい意味で、毎回謙虚になれます。」
スタイリストとして確立された位置にいる氏が求めている部分は[初心忘るべからず]というシンプルだけど意外と忘れがちなところだなと思った。
「毎年先輩方や友人と10人くらいで海外の海に入りにいくのですが、毎回自分の未熟さを痛感して帰ってきます。ここは入れないなと思っても断る訳にはいかないのでチャレンジしますが、まともに乗れた事は無いです。誰かしら板を潰す様なポイントもありますし、ホント難しいです。でも、最高に楽しいですね。」
仕事に対してもだが、そこ以外で自分に対してストイックになれる事、追求しているという事を話してくれている氏はとても楽しそうだった。次の質問に移ろうとした時、「あっ、もちろん仕事も楽しんでやらせてもらっていますよ」とここでもある意味ストイックな荒木氏。

インタビュー写真1

Q. 贅沢な時間はどのような時ですか? サンセットまで海に入れている時は贅沢な時間をすごせているなと。

「またサーフィンの話になっちゃいましたね。。」と前置きしつつ
「午後から都内で仕事があって午前中には海からあがって都内へ戻ってくるというのが、ほぼいつものルーティーンなんですよ。波が良かったり、どうしても行きたい時は、ですけど。ふとした時に、年に何回か朝から入って休憩しつつ夕方のサンセットまで海ですごせる日があって、そんな時間は贅沢だなと感じます。」
先ほど、波に負けて自分の小ささを痛感させられてしまうサーフィンをそれでも楽しいと語ってくれていた。楽しいとは思うがかなりイバラの道と感じた。そんなサーフィンを贅沢な時間として語ってくれた氏の自分への厳しさが強く心に刻まれた返答だった。
「あと、普通に夕方から約束して友達とご飯に食べに行ったり、奥さんと表参道をブラブラ歩く時も贅沢な時間ですね。こっちの方が以外と究極な贅沢時間かもしれませんね。」一般的には当たり前の様にすごせている時間で一瞬戸惑ったが、そういう当たり前の時間も取れない人が世の中にはたくさんいるんだなと。身が引き締まった。

インタビュー写真2

Q. 大切にしている思い入れのあるアイテムはありますか? ボロボロなんですが、なんかカッコいいんですよね

日々また是勉強という姿勢が強く伝わってくる氏だが、自身を飾るモノや人に対してそのモノをいかに内面からもカッコ良く伝えられるかという事に関しては、すでに一級の腕前を持っている。そんな氏が大切にしているアイテムはとても興味が湧く。とても氏らしい返答だった。
「古着のTシャツですかね。特にバンドTです。学生の頃から、古着屋に行った時に気づいたら探してたりとか、友達から譲ってもらったりとか。10年以上前にある方から頂いたバンドTは、すでにボロボロでしたが捨てられずに未だにクローゼットの中に入ってます。穴も開いてしまっていてさすがにボロボロすぎて一生着ることはないと思いますが、アレはたまらなくカッコいいですね。」

インタビュー写真3

Q. 共に過ごしてきた思い入れのものはありますか? 何を着用するかも大切ですが、誰が着用するかだと昔から強く意識しています。

「自分ではあまり意識をしていないのですが、眼鏡とは割と長い事付き合っていますね。物自体の見た目も大事ですが、かけた時のフィーリングを一番重要視しています。」まさにトレードマークとも言える眼鏡と氏の関係性について、話を聞けた事が個人的に一番気持ちが高揚した。
「無地のTシャツもそうなのかな。その時の気分やスタイリングによってサイズや生地の厚さをセレクトしています。でも、そんな言う程いつも気張っていませんが(笑)アメリカ出張に行くとスーパーとかで必ず買ってきちゃいますね。」
「いつも思ってるんですが、結局その人がイケてたらカッコ良くハマってくるんですよね。大体の物は。逆に言うと、着飾る事だけにしか意識が使えないのは何か勿体ないですね。ネガティブに捉えて欲しくないんですけど、、、表現がかなり難しいですね。僕の仕事とは逆の事を言っていますし、大丈夫ですかね。。(苦笑)」全ての本質の部分だなと感じた。
「アメリカの昔の俳優がシンプルな物を普通にさらっと着てるだけでめちゃくちゃカッコいいじゃないですか。そこに強く憧れています。雰囲気勝ちなところはありますけど、そこだと思うんですよね。あれはまだ僕には出せませんしね。誰が着るかが重要なところだと昔から思っています。」
色々なモノを着飾るのもいいと思う。ただ、変な話だけど着飾るのは誰でも出来る。それだけでは勿体ないと。着飾る事も自分磨きのひとつだし、そんなに簡単な事ではない。だけど、さらに自分自身を磨いていけばもっと輝ける。ストイックな氏らしい、自身の仕事の事を考えるとギリギリな話を真剣に真っ直ぐに話してくれた。

インタビュー写真4

Q. BILLY’Sでこのシューズを選ばれたのはなぜですか? アディダスの“PRO MODEL”は手放したくないですね”

「昔、真っ黒のPRO MODELを持っていたんですよ。ある機会に手放してしまって、ずっと探してたんですよね。その後たまたま後輩のスタイリストの家に遊びに行ったら、まさにそれがあって譲ってもらいました。もちろん先輩価格でしたけど(笑)。」正直アディダスのイメージがあんまりないが、取材当日もSUPER STARを履いていた。
「なかなか出ませんよねPRO MODELは。そこがまたいいというか、出たら気になっちゃいます。このアイテムは倉石一樹さんがディレクションされたモデルで家の下駄箱にラインナップされる事は間違いないですね。」
話を伺いながら、ふと気になってしまいどのような履き方をされますか?という安直な質問をしてしまった。
「ん〜僕だったらテーパードの効いた九分丈のスラックスにトップスはシンプルなニットとかスウェットですかね。足元が黒いので洋服とか小物とかで差し色いれてみたりとか。今の靴は白いので洋服は割と落ち着いた色の同色でまとめて足元だけ白い。みたいな合わせ方が今の気分ですね。」実際言葉にするのは照れる事だと思ったが、素直に真摯に答えてくれた氏の懐の深さと言うか優しさが感じられた。

Profile

荒木大輔 / DAISUKE ARAKI

スタイリスト熊谷隆志氏に師事し、2001年に独立。数多くのファッション誌や、タレント、ミュージシャンのスタイリングを手掛ける人気スタイリスト。

インタビュー写真5

取材協力: hanx Photo: Akira Onozuka