カート

BILLY'S Meet Tokyo Creator

PHOTOGRAPHER YASUMASA YONEHARA めまぐるしく移り変わりが激しい東京シーンの中心にいる1人である米原康正氏。編集者であり表現者。インスタントカメラ「チェキ」を使い女性を表現する。

知らないカルチャーや、知らないモノやヒトに囲まれる事。

Q. 今、一番楽しいことはなんですか?

絶対的な現場主義。この言葉が激しく見合う人は、現代の東京カルチャーに何人いるのだろう?確実にその一人である米原氏。常に東京カルチャーの現場感を掴み、独自の観点、独自の手法で発信している。まさに東京カルチャーの伝道師ともいえる氏の仕事をする中での楽しい事とは?

「2000年前後に欧米に行き、今は中国によく行っています。10年周期で、行った事の無い場所や国に行っています。生の情報やリアルな現場を見たいので、現地の人と仲良くなってその情報を自分に取り入れてますね。それが良いとか悪いとかは別の話で、価値観はそれぞれ違うので、僕は現地の人達が良いと行って教えてくれた事や物は真っ直ぐに受け入れる様にしてます。誰かが良いと言っているから良いとか、誰かが悪いと言っているから悪い、という固定概念の様な考え方があんまり好きじゃないです。自分で知らない場所や国に行って、そこのリアルなカルチャーを自分の目で見て触れてみる。これが一番大切だし、今はその時がすごく楽しいです。日本や東京の事を紹介するのは日本人に勝るものはないですよね?それを伝える事も場合によってですが楽しいですね。」

90年代初頭から編集者として東京カルチャーや東京ガールズカルチャーを発信し続けて来た氏が、フィールドを移しつつ今もなおアンテナを張り続け吸収し、自身の価値観と照合し解釈して発信する作業を続けている事に感銘を受けた。

インタビュー写真1

好きな事や、趣味を仕事に出来ている時間と…

Q. 贅沢な時間はどのような時ですか?

時代の仕掛人であり、日本を代表する表現者でもある氏の贅沢な時間とは何か気になる。

「昔から音楽の場で遊んでいた事もあり音楽業界に国内外問わずたくさんの友だちがいます。来日すると必ず連絡をもらう友だちも多いです。この間もスティーブ(青木)が来日した時に、連絡来て遊びに行ったんですけど、すみっこの方ですが彼の立っているステージに立って、そこから客席を見てる時にすごい贅沢なことやってるなって思いましたね。笑」

氏を取り囲む環境や人達は、まさに氏の人徳が成せるものだなと強く感じた。

「何かが生まれてる現場にいる時はやっぱり贅沢だなと思いますね。面白そうな場所だったら、今でも呼ばれたら寝落ちしない限り必ず遊びに行きますし、そこで得た情報や感じた事を大切にしています。つい先日も上海のモンキーという今いちばん面白いって言われてるHIPHOPのクラブに連れて行ってもらった時のスゴい盛り上がりに感動しました。日本では味わえない空気でしたね。現場にいる人間がやはり本物で、そういう人達が次の世代の人達に生の情報や感覚を伝えていけば、もっと面白くなってくると思います。そこに大人の事情で知らない人達が入って来てしまうと、多分それはもう本物じゃないという気がします。」

多種多様で、豊富な経験がある氏ならではの想いや考えを聞ける機会はなかなか無いな。これも贅沢だなと強く思った。

インタビュー写真2

被り方ひとつで自分のスタイルを見つけられた帽子かな。

Q. 大切にしている思い入れのあるアイテムはありますか?
    また、それはどんなものでしょうか?

「厳しい親だったので、最終的に自分はどこかの会社に属するものという考えを教え込まれた。親の監視のきかない大学生の頃は色々なファッションをしていましたね。イタリア風なスタイルの波があったり、サーファーだった時もある。でも、やっぱ会社に入んなきゃ、って呪縛があるからホントにやりたいスタイルになかなか手を出せなかった。無難路線ですよね。でも、このまま行ったら大人になってどんな格好になるんだろう、どんな生き方するんだろう? と思い始めたんですよ。ある日友だちと話している時に、アメリカの田舎のおじさんの無造作に被ってる斜めの帽子の話になって。帽子をまっすぐ被んなきゃって固定観念はずしたらこれがすごいぴったり来た。」

昔から見てたスタイルの起源はそこにあったのかと思った。観点が良いというか、ブレない姿勢がやはりカッコいいなと。

「『童顔巨乳』は今僕がブランドとして中国で作ってる帽子です。繁体字がカッコいいっていう流れが中国で来てて、『重慶』は向こうの HIP HOPのアーティストがデザインしたものですね。真面目に被るより斜めに被ることでハマったから、そこを軸にファッションも合わせていきましたね。」

インタビュー写真3

空間や雰囲気を切り取る事が出来るこのカメラたち。

Q. 共に過ごしてきた思い入れのものはありますか?

独自の観点から生み出される作品は氏の真骨頂。その存在感が今では海を渡りアジアや欧米でも多大な評価を得て、世界各国から色々なオファーがきているという氏のクリエイティブをする上で欠かせないモノとは?というある意味、答えが分かりきっているにも関わらずこの質問を投げかけてみた所、氏の作品に対する想いや姿勢を自然体で語ってくれた。

「女の子を撮影する時も、僕自身が興味ある人しか撮影しないんですよ。正直、興味が無い人は断る様にしてます。変な意味や、上から言ってるという感じじゃなくて、仕事仕事してしまうと僕は絵的に違う気がしてて、興味ある人と僕にしか作れない空間や雰囲気を切り取るのが僕の仕事だと思っているし、僕の作品だと思っています。」

まさに作品に写っている人達はとても自然体な時もあれば、氏にしか引き出せない表情やポージングがある。

「大きい機材を持ち込んでしまうと、女の子も構えちゃってなかなかうまく撮影出来なくなっちゃうですよ。自然体な部分を写し出したいんですよ。なので、チェキやこれぐらいのサイズのカメラをいくつも持っていって間が空いてタイムラグが生まれない様にもして、撮影しています。」

インタビュー写真4

中国でウケてるっていう部分もあるけど、今はハイテク系が気分。

Q. BILLY’S でこのシューズを選ばれたのはなぜですか?

「今はメインの仕事場含め、ウケるウケないの基準が中国になっている部分があって、もちろんNIKE全般好きだから、たくさん持っているけど何かを今選ぶとなるとこのハイテク系が今の気分ですかね。向こうでも人気は高いモデルですね。」
「その人達に対して、どのようにプロモーションや仕掛けをしていくかが今はかなりキーポイントだと感じています。僕はその部分を強く意識している発想なので、ウケるポイントを中心に、スタイルを作っていますね。軸はブレないで。」

最後に、短いながらも今の氏を語るには充分過ぎる事を話してくれた

「僕が今やっている事は、そこで感じた事や体験した事、さらにローカルの意見を真っ直ぐに聞き入れた上で、その国の言語で自分の想いや考えを伝えていく事です。それに尽きますね。」

インタビューを通じ、軸はブレずに時代や環境に柔軟に対応していく姿勢が、今の氏のポジションを形成しているんだなと、なかなか出来る事では無いし、簡単に真似出来る事では無いなと思った。


インタビュー写真5

Photo : Akira Onozuka

Profile

米原康正 / Yasumasa Yonehara

編集者、クリエイティブデイレクター、フォトグラファー、DJ。世界で唯一チェキをメイン機材とするアーティストとして、雑誌、 CDジャケット、ファッションカタログなどで幅広く活躍。中国圏での人気が高く、中国版Twitterである「新浪微博」でのフォロ ワーが167万人超、シューティングとDJをセットにしたイベントでアジアを賑わせている。世界のストリート・シーンで注目される、ジャパニーズ・カルチャーを作品だけでなく自分の言葉で語れる日本人アーティストの一人。
Official Site > loveyone.com