全品送料無料中
当時、裏の原宿に身を置きリアルなシーンを体感していたという紗羅マリー氏。
モデルとしてもアーティストとしても他のなにものにも代えがたい存在の氏が楽しみといえる時間とは?
「Liveしている時です!」
と、即答してくれた。
「バンドの方に恵まれて、生音でLiveをしている時が一番楽しいです。
オールディーズが大好きで、その世界観を表現し続けています。その時間は最高に好きですね。さらに自分が発信していることを受け取ってくれて反応してくれていることを実感した時はとても嬉しかったです。と言うのも、モデルとして私を知っている人たちがLiveに足を運んでくれて、ウッドベースカッコイイですね!とか、紗羅ちゃんの言っているこの世界観の良さがわかりました!とか言ってもらえた時は最高に嬉しかったですね。もっと吸収してもらいたいから、私も発信し続けるし、挑戦し続けています。楽しむだけだと趣味で終わっちゃうので、本気で考えて色々動いて、結果楽しんでいければ最高ですね。」
自身が良いと思って発信し、共感を得てそれが良く伝わっていく。
こんなに嬉しい経験は、中々出来るものではない。
それを常に探り続け、自身が思った、感じたことを伝えていることの重圧や大変さ、それを乗り越えて得られる楽しさがたまらなく気持ち良いんだろうなと思った。
さらにこう続けてくれた。
「カッコいい大人の人たちに支えてもらっているから、自分も偽物にならないようにちゃんとしたいし、期待に応えたい気持ちがあります。当時の裏原には本物の人たちがいて、その中で揉まれる。自分から動かなきゃ何もならない事を教えてくれた場所。メッキは剥がれるし、ただ、メッキならメッキでも何十層にも塗って本物に近づきたいし本物でありたいですね。」
かなり芯がはっきりとしっかりとした方だなと強く感じた。
メインストリートと裏路地。
どちらにも良さも悪さがある。何を良しとして、どこに向かうかは自分次第だと思う。氏が選んできたのはどっちだろう。予想はつきつつも、、
「何も考えずに裏路地を歩いている時間が贅沢ですね。昔からメインストリートより裏路地が好きなんです。裏であればあるほどぐらい。笑
昼下がりくらいに子供と知らない路地に入って、何の目的があるわけでもなく、時間の縛りがあるわけでもなく歩いて、可愛いお花あったね!とかやってる時間が贅沢ですね。」
その時間はとても素晴らしいし、独特な時間が流れてるんだろうなと思った。
「メインストリートにももちろん良さがあるし、メインストリートもある程度は知ってます。知らずにどちらが好きかを決めるのは違うと思っていて、どっちも知った中で、裏路地がやっぱり好きだし憧れですね。昔、裏原にはピリッとした緊張感があって、カッコいい人たちがたくさんいて、カッコいい物がいっぱいあって。覚えてもらうためとか、入れるために勇気を出して、足を運んだりしてましたね。憧れって恐怖とドキドキの間で、それが裏原にはたくさん詰まってたんですよ。そのカルチャーは無くなって欲しくないですね。」
リアルなストリート出身者にしか分からないもしくは感じられない空気感や世界観が氏の周りを纏って見えた。
「クロネコになれた気分になるんですよね。裏路地は」
氏を表現する言葉としては、シンプルだけどとても分かりやすく深い言葉。
クロネコ。
「あまりずっと持ってて大切にしている物は無いんですよね」
意外な回答に少し驚いたが、こう続けてくれた。
「13歳の時にドクターマーチンを初めて買ったんですよ。当時憧れがとてもあって、買った時は嬉しかったです。ただ、、、1足目としては黒を選べばよかったのに赤を選んでしまったんですよ。さすがに当時は別のをすぐ買えなかったので、割と早い段階で自分でペンキを使って黒く塗っちゃいました。赤ももちろん好きでしたけどね。」
13歳でドクターマーチンの8ホールのしかも赤色。という目の付け所がさすがだなと思った。
「ずっと履いていて、5年ぐらい履いてるとだんだん中の赤が見えてきちゃうんですよ。けど、それすらも、ヤベっパンクじゃんみたいに思っちゃうんですよ。笑」
「今考えると理由は明確にわからないんですけど、ドクターマーチンの8ホールに当時スゴく憧れてて、もちろんイギリスのバンドも好きなんですけど、そこだけじゃないというか、とにかく大好きでしたね。何で捨てられないかっていう理由がもう一つあって。何年か前にスペースシャワーで番組やっていた時、その番組が終了した時の誕生日に関係者のイベントで誕生日祝いをしてくれたんですよ。そのイベントのスタッフステッカーをベタッとそのドクターマーチンに貼ってから手放せなくなって未だに持っています。ボロボロすぎて履けないんですけどね。苦笑」
話を聞くほどにとても熱い人だなと感じる。
「パソコンですかね。歌詞を残したりとか曲をすぐ調べたりとかで、作業するときに使っているのでクリエイションをする上では変な話、欠かしたいけど欠かせない存在ですね。」
意外なアイテムだったが氏らしい話に続いていく。
「紙は、やっぱり今でも好きだし無くなったら困るものです。歌詞を書くときは紙。出来上がったらパソコンに歌詞を入れます。歌詞を覚えるときも、紙にペンで書いて、覚えています。」
「少し話はズレてしまうかもですけど、好きなアーティストさんの音楽はダウンロードでは無く必ずCDを買います。古い考えかもしれませんけどね…
残しておきたいというのもありますし、やっぱりアーティストさんの伝えたい事を全て知りたいんですよね。しっかり受け取って100%楽しみたいというか、ジャケットから、ブックレットだったり、SPECIAL THANKSまでしっかり見て、この人絡んでたんだーみたいな発見もあったりして。笑。好きな音楽に関してはそこまで全部楽しみたいんですよね。」
CDに対して、またある種違う観点での見解。
けど、そこまでの抵抗と意固地になる事なく、必要な部分ではデジタルを取り入れる。まさに温故知新という言葉が氏のこのエピソードにはしっくり合う。
また、オールディーズが好きな感じと独特なセンスで作り出している世界観はどのように生み出され、何を吸収して氏のフィルターを通してどのように伝えているのかが気になる。
「60年代とか昔の映画とか、昔の写真集とかピンナップの本を見てそこからインスピレーションを受けて世界観を作ってます。その中で着ている洋服が可愛かったり、雰囲気が好きなので、よく見ています。正直内容があんまり面白くないものもありますけど、ヒントが落ちてることが多いんですよね。」
「昔は買ってすぐにスタッズ打ったり、絵を描いてみたりして履いていました。
今まで何足履き潰して、また買ってを繰り返したか分からないぐらいです。
昔の私的にはキレイなまま履くのが許せなくて、わざと雨の日に履いてみたりして汚していくみたいな。とにかく新品の状態で履いて街を歩けないなぐらいまで思っていました。当時は。」
昔から、根っこからパンクな人だなと。強い信念があり今の地位にいるのはこういう精神から来ているのだなと勝手に思った。
「でも、、、今はキレイな方が好きです。大人になったんですかね。。苦笑。
今は逆に晴れた日にしか絶対履かないですし、汚れたら新しいのをすぐ買っちゃいます。トゥのところが汚れているのを、ふと自分を俯瞰で見たときに。
あれっ私のパンクの時代は終わった!大人になっちゃったかなって思いましたね。笑」
とても氏らしいエピソードと発言にさらに氏の魅力に魅かれていく様な気がした。
さらに別の角度からも楽しめること、というかもはや靴という概念を越えた、この靴に対する思いを話してくれた。
「先ほども言いましたが、キャンバス地だから、なんでも遊べるじゃないですか。絵を描いたり色塗ったりスタッズ打ってみたり、それも楽しいし、それを履いて街に遊びに行くのが好きなんですよね。そして、それを見たカッコいい大人の人たちが反応して褒めてくれるのもさらに嬉しかったです。もっと褒められるように、次はもっと頑張ろ!みたいな。」
Photo : Yozo Yoshino
CHOICE ITEM : CANVAS ALL STAR J HIGH
13歳の時からモデルとして活動を始め、「nicola」や「ViVi」などのファッション誌を中心に活躍。現在は、「NYLON」「Gina」「VOGUE girl」「Figue」など多数のファッション誌で絶大な人気を博す。東京ガールズコレクションなど数々のファッションショーにも出演し、その人気は国内にとどまらず、台湾や香港、北京をはじめとするアジアでのショーやイベントにも出演している。2010年4月7日、1stシングル「Cherry/Gossip」で歌手デビューを果たす。同年7月7日にリリースした2nd シングル「Mirror Mirror feat. COMA-CHI」は「パンテーン」のCM曲として話題となった。同年8月に、1st アルバム「MY NAME IS」をリリース。紗羅マリー個人の活動のみならず、TOKYO NO.1 SOUL SET、SEAMO、Miss Monday、K.J.の楽曲に客演で参加するなど精力的に活動。2013年 1月30日、2ndアルバム「RED」と「BLUE」を2枚同時リリースした。BSスカパー!「BAZOOKA!!」にレギュラー出演中。