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BILLY'S Meet Tokyo Creator

“トレンドのど真ん中に対して、
自分がどういう風に捉えていくか天邪鬼なところがある”

佐藤:今日は、スタイリストであるTEPPEIさんだからこそ、お聞きしたいことがあるんです。今の気分といいますか。特に履いているスニーカーを5足紹介頂けるとしたら、何でしょうか。 ちなみに現在何足所有されてるのですか?

TEPPEI氏:1000足はありますね。その中で、玄関に置いてあるのが、今一番履いている靴です。
まずモデル名を挙げてしまうと、
・gravis×BILLY’S ENT “K-ROOM”
・VANS “CARVER 2”
・Hender Scheme “skm”
・NIKE × sakai “LD Waffle”
・Hender Scheme “ manual industrial products ”
この5足です。

佐藤:意外なラインナップですね。所有されている1000足全て、語れると思いますが、この5足に絞られた理由をお聞かせください。

TEPPEI氏:まず1足目は、「gravis × BILLY’Sの“K-ROOM”」ですね。ブラックをメインに履くことが多いので、ブラウンは下駄箱に入っています。
2足目は、「VANS “CARVER 2”」。全色買ったんですけど、特に履いたのがパープル。リリースが2年くらい前だったと思うのですが、当時からよく履いていて、気分を変えたくなってソールの部分を渋谷の〈RECOUTURE〉に頼んで、ソールを改良してもらって履いています。

佐藤:どんなソールに変えたんですか。

TEPPEI氏:牙みたいなシャークソールが良かったんですけど、なかったのでリップルソールにしました。分厚くして、よりブーツ感を増した感じにしたかったんです。「VANS “CARVER 2” 」は、往年のモデルではないですけど、履き口のホールド感がしっかりしているので、ソールを分厚くすればパワフルになるのではないかなと。改造して一軍になりました。
3足目は、以前のモデルで「Hender Scheme “skm”」エスキモーブーツなのですが、雪山で大活躍しそうなスペックを搭載しているアウトソールを使用されていて、ただ自分のライフスタイルには合わないオーバースペック感を体感し、VAPORのようなソールを付けるのもいいなと思っています。そういうのが、今の自分の最新の楽しみかたですね。

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佐藤:最近、ローファーにVAPORのソールがついたシューズが、snsに上がってきたんですけど、その先駆者的な感じになっていますね。

TEPPEI氏:先ほどオーバースペックを感じたと言いましたが、詳しく言うとレザーブーツによく使用されているアウトソールは、タフに履けるというのが謳い文句だったと思うんですけど、重いからだんだんと履かなくなる。都会的な考えでいくとソール部分はオーバースペックになるので、それを変えることでさらに履きやすくなるのと、ハイブリッドになる感じですね。

佐藤:すごいですね。TEPPEIさん特有の、天邪鬼であるからこその発想でもありますか?

TEPPEI氏:(笑)。元からトレンドのど真ん中に対して、自分がどういう風に捉えていくか天邪鬼なところがあるんですけど、これはどちらかというとライフスタイルに根付いた中でアイデアが浮かびました。
4足目は、「NIKE × sakai “LD Waffle”」ですね。なんであんなに爆発的に人気があるのかは気になっていたんです。実際に履いてみたら、なんていうんだろう……「NIKE × UNDER COVER “DAY BREAK”」もそうですけど、ローテクな中でのフューチャリスティック感というか。今、自分のスニーカーに対する気分なので、いいなと思いました。

佐藤:“DAY BREAK”はシュッとしているけど、“LD Waffle”はポテッとしていて、TEPPEIさんぽくもありますね。

TEPPEI氏:5足目は、今日履いているコレです。「Hender Scheme“ manual industrial products ”」。
オマージュラインがオールレザーで作られているんですけど、ソールとシェルの部分を〈RECOUTURE〉に変えられないかと相談してこの形になりました。ソールは実際の「adidas “SUPERSTAR 80’s “」のソールを付けたんですけど、完全な”SUPER STAR”ではないんです。なんかブート感がたまらなく好きです(笑)。

佐藤: よく見ると「adidas」感が消えてますね(笑)。アッパーが「Hender Scheme」で、他はカスタムという。

TEPPEI氏:「Hender Scheme」にとってオマージュラインは代表的なプロダクト。そして今でも存在していて、そのようなモノ作りをしてきたブランドさんが「adidas」社と共同でプロダクト開発をしている。それ自体すごく深い意味があることだと思っていて、だから僕がこれを持っているということは、どういうことなのかを考えて、「adidas」でもない、「Hender Scheme」でもない、何かを作り出したいと思ったんです。

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“そのプロダクトやモデルにパワーがあるから、
そこに価値が生まれる”

佐藤:TEPPEIさんは、最新を好む人、定番を好む人、のどちらにも属さないですね。

TEPPEI氏:定番にしても、ものすごくプロップスの高いスニーカーにせよ、全身のスタイリングの中で自分なりに価値をつけることができるパーツというか。自分の価値観が、かなりダイレクトに反映されると思うんですよね。

佐藤:ところで「VANS “CARVER”」や「VANS “KNU SKOOL”」は、僕達としては、TEPPEIさんが火を点けたという認識になっています。その自覚はあったりしますか?

TEPPEI氏:そのような気持ちでスニーカーを選んだことはないんですが、”KNU SKOOL”にしても、“CARVER”にしても、実際にお店の方が「急に売れ出しまして、TEPPEIさんのInstagramのおかげかもしれません」といったリアクションを自分に届けてくれたので、素直に嬉しかったですね。だけど意外と突然変異的なものだと自分は思っていて、単純にそのプロダクトやモデルにパワーがあるから、そこに価値が生まれたのだと思っています。

佐藤:TEPPEIさんもビビッ! とそのモデルに関して感じたんでしょうけど、何故それを感じたのかは知りたいところですね。

TEPPEI氏:適度なプラスアルファですかね。”OLD SKOOL”と”KNU SKOOL”は兄弟的なモデルだと思うんですけど、履くとかなり感覚が違くて、 “KNU SKOOL”は何かが生まれるって感じだったんです。しかもデザイナーズブランドが作っているのではなく、「VANS」が作っているということが凄く良かった。

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“サッと気軽るに履けるスニーカーは、
僕にとって重要な位置を占めている”

佐藤:「gravis × BILLY’S ”K-ROOM”」は、アイテム名にもある通り、ルームシューズを元にデザインを考えて、サンプルが上がったとき、TEPPEIさんに見てもらったら「是非履いてみたい」と。見てもらうまでは自信がなかったんで、すごく嬉しかったです。

TEPPEI氏:見せていただいた時にグッときましたね。サッと気軽に履けるスニーカーは、僕にとって重要な位置を占めています。その手のタイプだと、これまでビブラムソールで中がボアの「Suicoke」から始まって、2018年の秋冬はスタッズを打ち込んだチェック柄の「Palm Angels × Suicoke」を履いて、そこから今年の夏に「gravis ”ODJICK”」を店頭で見つけて、そしてタイミングよく「gravis × BILLY’S “K-ROOM”」のリリース情報を敬太さんから聞きまして。機能性と、自分の気分がかなりマッチしました。

佐藤:「gravis × BILLY’S “K-ROOM”」は、2年ほど構想を練っていて、5回ほどサンプルを作ったんですよ。ロゴが入っていたのを取ったり、今よりも1センチくらい浅く踵が抜けたりしていたので、深めにしたり。軽さを感じながらフィット感も必要なので。あとはソールを厚めにしたり、旅に出かけたときに、スッと履けるルームシューズのような存在であることも重要だったので。このタイプは、他になかなか無いと思います。

TEPPEI氏:5回もサンプルを作られたのですね。その様なストーリーを辿って生み出されたプロダクトということもあり、改良を重ねた結果、生地の厚みもいいんですよね。太畝コーデュロイの風合いが良く、これが例えばもう少し細くなってしまうとバランスが崩れてしまいそうな絶妙なムードです。

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佐藤:今回のスタイリングはどのように考えましたか?

TEPPEI氏:スタイリング至上主義というオーダーを頂いたので、自分がこの秋冬にどう履くのかを考えてスタイリングをしてみました。まずブラウンからいくと、茶色の重くないスラックスに、短めの丈のトップスを合わせたいなと思いました。実は、ジャケットは「HUF」のレディースラインなんです。普通のコーチジャケットだと着丈が長いので、この様に着丈の短いのを合わせるのが自分らしいのかなと。スケータースタイルをベースに考えて、自分のスタイルにしたらこうなった感じですね。

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佐藤:ブラックはスポーツライクな感じでまとめましたね。実は今日、僕も「RAIDERS」のトップスを着ようかなと思っていたんです。ナイロンだと少し軽いので、スポーツっぽくしたらどうだろうかと。TEPPEIさんのスタイリングを見て、間違いなかったと思いました!

TEPPEI氏:スポーツ感は取り入れようと思っていました。コーディネートを考えている中で「FLAGSTUFF」のこのトップスが自分の中でハマりました。でも自分のスタイルとしては、オーセンティックなスポーツイメージから解釈をプラスアルファしたかったので、このスタイリングは、靴下に赤チェックをセレクトするところから発想したんです。その発想源ありきで、黒基調の世界に白グラフィックを泳がせたら、絵作りとしては良いのではないか?と考えました。「このシューズを、何故2年前に作り出したんですか?」と尋ねたときに、「BURBERRY × Gosha Rubchinskiy」のコレクションでリリースされていた革靴の話をされていたんですよ。それと、コーデュロイではなくバーバリーチェックで作ろうという案もあったことを聞いていたので、バックボーンとしてはありなのかなと。

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佐藤:スタイリストさんって本当にすごいですよね。今回のスタイリングを見て、ファッションの自由さを感じました。スニーカーをメインとしたスタイリングになると、スタイルは変わってきますか?

TEPPEI氏:スニーカーをメインにしたスタイリングというよりか、トータルでスタイリングを考えるということに改めて立ち返りたいですね。昨今の流れだと、人々のスニーカーに対する熱が凄すぎて、「これを履いておけばいい」みたいな一点豪華主義的な流れが当たり前になりすぎた。だけど、本来その考え方はファッション的に考えるとタブーに近いことだったと思うんですよ。それがインバウンドの人たちの影響なのか、あまりにもスニーカーブームの裾が広がりすぎたのか。本来スタイリングというのはスニーカーと連動するべきだと思っています。靴はこういう感じが流行っているけど、服はどうなの、っていうそこがリンクされていないカオスな状態が長い間続いている印象もあったので、改めて立ち返りたいというのが自分の願いですね。

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“スタイリングには、文脈がないといけないと思っています”

佐藤:スタイリングに対するセオリーを、きちんと伝えていきたいということでもありますか?

TEPPEI氏:自分はスタイリストとして、その時代感というものを、スタイリングを通じて翻訳をして行く立場にあるかと思っているんです。その翻訳家として、スタイリングには文脈がないといけないと思っています。スタイリストとして、その翻訳をどうやっていくのか、そこに価値を見出していきたいですよね。自分がスタイリングを通して表現をして伝えていく者として、説得力を重視しながら意味を持たせていきたいです。それが僕が考えるスタイリストとしての責任だと思っています。

佐藤:「gravis × BILLY’S “K-ROOM”」に文脈を持たせるとしたら、どういう文脈になりますかね?

TEPPEI氏:いわゆる90年代のアフタースケートシューズが文脈だと思います。
オフスイッチに近いというか、ニュートラルな気持ちでスッと履きたいときに、履ける。とはいえ、品のあるデザインなのでオンとオフとの両方の場面で馴染むと思います。その2面性がとても現代的で東京の空気感に合っています。もっと言うと自分のライフスタイルに、とても合うスニーカーですね。想像通り履き心地はすごく良かったです。

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