ビリーズ トウキョウ 中島歩 みちくさ連載 中島歩連載 第六回「僕と、落語。」前編

映画やドラマなどで、気になる存在として注目を集める俳優・中島歩。映画や音楽、
ファッションへの愛や好奇心が強いという一面を持つ中島に、
自身を形作ってきたカルチャーについて自由気ままに語ってもらう本連載。
第七回目は、自身のファッション遍歴について。

好き嫌いがはっきりしていた子供時代。

 子供の頃から好き嫌いははっきりしたタイプだったかもしれません。古い記憶として焼きついているのは、幼稚園の夏祭りで着せられた浴衣の帯のこと。子供用のふわふわした兵児帯がとにかく嫌で、着付けられた自分を見て「最悪な一日の始まりだ」と子供ながらに絶望していました。あとは、学生服の半袖のワイシャツが嫌だった。今もそうなんですけど、半袖を着るんだったら長袖を腕まくりして着たい。そういう本能的なこだわりは昔から変わらずあります。

ファッションに興味を持つようになったのは、中学生くらいからかな。3つ上の兄の影響で「smart」や「 Boon」といったファッション誌を読むようになって。音楽誌の「ロッキング・オン」を見ては、当時のミュージシャンたちのファッションや

20代で受けた刺激と現在のスタイル。

 20歳でモデルを始めてから、二村毅さんなど色々なスタイリストさんたちの仕事を間近で見る機会に恵まれて、たくさんの影響を受けました。僕がモデルの仕事をするようになったのも二村さんが拾ってくれたから。エヌ・ハリウッドのショーに出たことがきっかけで、「メンズノンノ」にも出るようになって。でも、仕事で着させてもらう洋服はあくまで衣装という認識だったかも。自分自身のファッションとして取り入れようという発想はあまりなかったですね。

 そこから「かっこいいってなんだろう?」とかって考えるようになって、「おしゃれをしようとすること自体がおしゃれじゃない」なんて、自意識がひねくれていた時期もありました。当時はお金もなかったから古着屋で買ったボロボロのバブアーをよく着ていたな。ただ安ければいいというのではなくて、汚くて状態の悪い古着だと

中島歩
Photography / Yuto Kudo
Stylist / Kentaro Ueno
Hair & Make up / Takeharu Kobayashi
Edit & Text / Mikiko Ichitani

ヘアスタイルに影響を受けました。なかでもザ・ストロークスは古着の着こなしがとにかくかっこよくて、当時は似たような服を古着屋で探してきては真似していました。

中島歩

しても本物を着ていたいという思考が中心にあった気がします。

最近は一周回って、カーディガンとシャツとズボンという組み合わせが多いかな。スタイリストさんが提案してくれる洋服から、「こういうのも似合うんだ」といった発見も日々あるけれど、結局落ち着くのはベーシック。こうやって振り返ると、大学生の頃にしていた格好とあまり変わっていないかもしれません。

中島 歩(なかじま あゆむ)

1988年10月7日生まれ、宮城県出身。2013年に美輪明宏主演舞台「黒蜥蜴」で俳優デビュー。NHK朝ドラ「花子とアン」(2014)、「あんぱん」(2025)、映画『いとみち』(2021)、『偶然と想像』(2021)などに出演。2026年にはテレビ東京「俺たちバッドバーバーズ」で初主演、NHK大河『豊臣兄弟!』にも出演。