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BILLY'S Meet Tokyo Creator

江口寿史 / Hisashi Eguchi
漫画家、イラストレーター


「すすめ!!パイレーツ」など数々の名作ギャグ漫画をはじめ、一度は目にしたことがあるであろう可愛い女性のイラストなどで、
時代を超えて大きな影響を与え続けている漫画家・イラストレーターの江口寿史さん。
今回、代表作「ストップ!!ひばりくん!」をフィーチャーした、VANSとのコラボアイテムが登場する。
キャラクターのイラストを大胆に取り入れたスリッポン、Tシャツ、サコッシュは、どれもがファッションの中で鮮烈に映えるデザインだ。そんなコラボアイテムの誕生を記念して、漫画家としてのルーツや作風、今回のコラボについてなど、いろいろと語ってもらった。

インタビュー写真

- ギャグ漫画は別にストーリー性を作らなくても笑わせる、

            というところで勝負できる-

まずはスニーカーを好きになったきっかけから教えてください。

若い頃はスニーカーという認識はなくて、ただのズック。消耗品という感じだったんですけど、1978年に「POPEYE」が創刊されて。
ただの消耗品じゃなくて趣味嗜好の対象であるというのは、POPEYEに植えつけられたんじゃないですかね。
僕が22、23歳くらいに創刊されて毎号買っていたんで。
それまでスニーカーって、地元の商業施設で売っているようなものを買っていたんですけど、POPEYEが創刊されてからはNIKEとかを履くようになりました。

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10代の頃、音楽やアートなどでのめり込んだカルチャーはありますか?

やっぱりカタログ文化の洗礼を一番最初に浴びた世代なので、当時は、「※@はっぴいえんど」あたりがそういうことを感じさせてくれるバンドだったね
当時、僕は高校2〜3年生だったんですが、彼らのレコードには、自分が影響を受けた漫画や小説とかのタイトルを載せていました
要は文字だけではなく、影響を受けた漫画とか、そういうのを隠さずに出していた。だけど、それに対する教養が僕自身はないわけだから、「はっぴいえんど」の曲は異様なものにしか聴こえなくて、全然分からなかったんです。
それは衝撃的でしたね。
「はっぴいえんど」の良さが分かるようになったのは、もっともっと後のことで。いろんな洋楽を聴いていくと、「ああ、こういうことだったんだ」と分かるようになっていったんです

※@はっぴいえんど
70年代、細野晴臣/大滝詠一/松本隆/鈴木茂によって結成された日本のロックバンド。

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他にはどんなアーティストに影響を受けたんですか?

僕は※A吉田拓郎さんが好きだったんですけど、拓郎さんがカルチャーのひとつだったというか。
拓郎さんの曲は使うコードも簡単だったし、誰でもできるんだよっていう錯覚を当時の若者たちに植え付けたと思うんですね。だから僕も作詞作曲できるんじゃないかなと思って、高校の頃にやってみたことがあるんです
でも、やっぱり拓郎さんみたいに作れるはずがないよね(笑)
それで早々に音楽の才能はないなと。当時はいろいろやりたかったんですよ。親父が写真をやっていたので、写真もやりたかったんだけど、自分が想像するように出力できないんですよね。
音楽や写真とか他の分野では。
でもなぜか漫画だけは妙にできる気がしたんです
漫画だけどうにかなる気がして、いろいろやって、あれもこれもダメという中で漫画だけが残った感じです。

※A吉田拓郎
日本のシンガーソングライター、音楽プロデューサー

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漫画が一番、頭の中で描いた想像をアウトプットできるものだったんですね。

そうですね。でも漫画は絵を描くだけではないですからね。
言葉も必要だし、物語を生み出す才能も必要だし。
漫画を「よし!読もう!」と思ったのは19歳になってから。
いろいろな漫画があって、自分のできる道を探していった結果、ギャグ漫画の道に行った感じですね。

漫画の中でもギャグ漫画がいいなと思ったきっかけはなんだったのですか?

子供の頃は※B赤塚不二夫さんが好きだったんですけど、赤塚不二夫さんという人は想像の斜め上をいくことばかりしていて。
例えば原寸大のバカボンを見開きで掲載したり、ストーリー性はないけど、毎週読者を驚かす感じで。そして本人も体を張ってお笑いをやることもあったし、赤塚さん自身がポップスターというか
それが子供心に格好よく見えたんです。でも僕が描く絵自体は、赤塚さんが描くものとは違うし、ギャグ漫画は赤塚さんが描く絵みたいなタッチではないとダメだと思っていましたから。
僕の絵は、ちばてつや先生みたいな絵だったから。
ギャグをやりたい気持ちはあったんですけど、絵柄がストーリー漫画の絵だから困ったなどうしようかなって。
そう思っていたところ、※C山上たつひこさんがストーリー性のある絵でギャグ漫画を始めたんですよ。
これだったら僕にもできるかも!と。それで目標ができた
これなら頑張れる、漫画家になれそうな気がすると思ったんです。

※B赤塚不二夫
ギャグ漫画の王様と謳われた日本の漫画家。
代表作は「天才バカボン」や「おそ松君」など。

※C山上たつひこ
日本の漫画家。ギャグ漫画「がきデカ」、「喜劇新思想大系」など。

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その予感みたいなもので、実際にプロの漫画家になれるのはすごいですよ。

でね、ストーリーに関しては※D手塚治虫さんの作品を読むと分かりますけど、あんなのは無理です。
作れないわ、と思うわけじゃないですか。
だからストーリー漫画はダメだからどうしようかなって。
やっぱり手塚さんの漫画をみたときに、ストーリーのあるものをやろうと思わなかったもんな。
読者としては好きだけど、あんなに色々なジャンルにわたって作品を作れないわと。
ギャグ漫画は別にストーリー性を作らなくても笑わせる、というところで勝負できるので。
絵だけ見るとカッコイイのに、よく見ると馬鹿なことをやっていたり。そういうこともできる。
ギャグはいろいろ使えるんですよね。 音楽や写真もギャグにできるし。ギャグは幅広いんです。

※D手塚治虫
日本の漫画家、アニメ監督、医師。
代表作は「鉄腕アトム」「ブラックジャック」など。

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では幅広い人たちも対応できるものを作っているんですね。

いや、ギャグの表現自体は幅広いけど、万人にウケるギャグは難しい
特に今の時代はギャグが難しくて。何を言っても、人を傷つけるとか言われるから。ギャグってそもそも傷つけてしまうものだから
なのでギャグをやっている僕らは、今の時代は炎上するだけです。何を言ってもダメです。
だから今の時代にギャグは難しいんじゃない?

時代によって通用するギャグがある、というか。

昔は通用していたし、世の中も鷹揚に構えていてくれたというかね。
今は、全部とは思わないけど、少なくとも僕が思う中では価値観がすごく狭いですよね。

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SNSの発展で、顔を出さずに批判しやすい世の中になったのは確かですよね。

書き込んでいる人たちは、多分ね、それが気持ちいいんですよ。
自分が中心で火をつけた、みたいな感じで。
意識していないかもしれないけど、妙な正義感が満たされるみたいな。

やっぱり江口さんはブラックジョークが好きですか?

僕は「モンティ・パイソン」に影響を受けているので。
内容は本当にひどいものもあるじゃないですか?だけどイギリスでは国営放送のBBCで行われているんですからね。
そもそもギャグはそういうものだと思っていましたから。
タモリさんなんて出てきたときは、すごいブラックジョークをやっていましたからね。
あれがダメと言われるのはきついですね

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