Favorite of TOKYO

「すみません、、僕、かなりこの街が好きでほとんど川崎から出ないんですよ。。」

国内はもちろん世界各国を行き交い、ダンスを通じ多くの交流を深めているDee氏。
意識は世界に目を向きつつもホームタウンへの愛は深く、必要以上にこの街から離れないと言う。
その確固たる姿勢にとても共感出来るし、素晴らしい男気を感じた。
ただ、少し間を置き、

「3つ答えられなくてすみません。。古着屋は必ず行きますね、東京に行った時は。
やっぱりオシャレな街だし、発見が多くあります。原宿や下北沢に好きな古着屋はたくさんあります。」

このように真摯に対応してくれた。

インタビュー写真1

東京が世界に誇れることとは?

「東京も川崎も全国各地を含む、日本は世界で一番好きです。
料理も美味しいし、生活環境も素晴らしいと思います。
すごい便利ですよね、なんでも。
色々な所に行って、さらに思うようになっています。
日本人って何をやらせても世界ではズバ抜けてるって思っています。
繊細な所とか。ダンスのスキルの高さも世界で有数だと思います。
中でもキッズダンサーは世界一だと言われていますし、実際世界からの反応もとても良いです。
うちのスタジオにもたくさんのキッズダンサーがいますけど、皆めちゃくちゃヤバいです。」

そんな氏の世界からの評価がとても高い事を確証させるこんなエピソードがある。
クリス・ブラウンとの共演という偉業である。

「去年の初めにマネージャーと目標を立てたんですよ。
クリス・ブラウンに会うって目標。
昔からずっと好きでしたけど、正直一番ではなかったです。
ただ、歌ももちろんスゴいし、バックダンサーの誰よりもダンススキルが高いところが本当にカッコイイ。
生意気かもしれませんけど自分の中で、自分が持っていないものを持っていて、
自分よりカッコイイって、唯一思える存在ですね。
それで、Instagramで彼の曲を使って映像を発信し続けて、
3ヶ月くらい後にクリス・ブラウンのInstagramにのせてもらって、その3ヶ月後に本人に会えたんですよ。
しかもその後同じステージに立てたり、Instagram上で一緒に踊れてしまったり、、、
目標立てて半年後に叶ってしまって驚いたし、めちゃくちゃ嬉しかったです。
今は、クリス・ブラウンとショーに出るという目標を立てています。
ただ、バックダンサーは嫌なんですよ。日本でも何回も経験させてもらいましたけど、
やっぱり自分がステージの中で一番になりたいという願望が強いので、
本人と同じ並びでアーティストとしてショーで共演したいです。」

言葉にして発していると、夢や目標は叶うと聞いたことはあるが、
ここまで具現化している事を目の当たりにして、少し体が震えた。

インタビュー写真2

クリエイションする上でのこだわるポイント

常に人とは違うスタイルを追求し続け、独特な世界観を確立している氏の動向やスタイルは
多くの人の注目の的となっている。そんな氏のこだわりをもっと掘り下げていきたいと思う。

「自分のダンスのスタイルに関していうと、振り付けやステップはもちろん重要ですけど、
どちらかと言うと表情やちょっとしたしぐさとかの表現をすごく大切にしています。」

自身のセンスや創造力の賜物だと思っているが、情報源はどこにあるのか気になる。

「他の人のダンス映像はあんまり見ませんね、見た時は動きがヤバいとかカッコいいとかは
もちろん思いますけど、正直自分の成長にならないと思っています。
自分が思ったこととか、やりたいことをそのまま表現しているのですが、
昔から黒人が大好きで、彼らの立ち振る舞いや空気みたいなのは良く見ています。
海外のPVを見ても、振り付けとかダンスの動きというより飲み物を飲む動き方や、
何となく手を合わせている動きとかそういうちょっとしたしぐさや表情を良く見ています。
それで、自分の中に取り入れて自分なりに表現しています。
ダンス界で新しいジャンルを築いたって言ってくれるんですけど、
僕的には、昔から同じことをやり続けていているんですよ。
他の人とは違うやり方で。
例えば黒人ダンサーのステップがカッコいいと思って、
まだ日本人でやっていなかったらすぐに取り入れて自分なりに表現します。
ただ他の人がやり始めたら、もうやりません。
けど、流行りみたいなのが去って、他の人がやらなくなったらまたやります。
ホント嫌なんでしょうね、他の人と同じっていうのが。
ファッションもそうです。
自分なりのテイストやスタイルを作りたいですね。」

見るポイントが独特で、インプットの仕方から現在のスタイルを築いているという説得力がある。
そういった部分を重点的にスタジオの生徒さんに教えながら、あるひとつのメッセージを伝えているという。

「オンリーワンのダンサーになって欲しいです。アーティストとして。
なので同じ振り付けでも、先生と全く同じ様に踊るのではなくそれぞれ違うものを持っていて、
自分なりの表現が一番カッコいいと思っているので、
細かい部分の動きや表情を自分のスタイルを加えて踊る様に、スタジオの生徒さんには教えています。
なので、ウチのスタジオの子供はホント好き勝手に踊りますよ。」

さらに、こう続けてくれた。

「自分が思いついた事で行動に移した時に、割と全部上手くいってるんです。
ダンスにしてもファッションにしても。
例えば、いつかのショーで左右色違いで履こうと思ったんですけど、
それだと他でありそうだなと思って、ハイカットの靴を自分で好きな長さに切って出たんですよ。
それを見た仲間や周りの人がどんどん真似してくれてみんな切ってましたね。
そうなると、僕は履かなくなるんですけどね。笑」

インタビュー写真3
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クリエイションするコトの楽しさや楽しみ

「自分1人では今の自分は居ないと思っています。
クリスブラウンに会えた事や、ダンスの事、このスタジオもそうです。
全ては仲間というファミリーや自分の家族が居てくれて、
今のDeeというダンサーは成り立っていると思います。」
そういう人達に囲まれている幸せや、何かをやっている時、目標に向かっているのが凄く楽しいですね。」

大切なところのさらに一番根っこの部分だなと思った。

「色々なショーに出ましたが、やっぱり僕は男だけの大人数で踊るのが楽しいし、
自分も輝けるって思っています。
逆に女性とは踊らないと決めていたけど、
今の奥さんは唯一初めてカッコいいと思った女性ダンサーなので、一緒に踊っています。
その時も楽しいですね。」

また、ある人の交流の深さも話してくれた。

「AKIRA君は初めて兄貴って思えた存在です。
都内でやっていたP.K.C.ZのイベントにELLYに誘われて遊びに行った時に、
Instagramで知ってくれてたみたいでAKIRA君にいきなり声を掛けられて、
そこから今ではめちゃくちゃ仲良くさせてもらっています。
この間もLA行って一緒に踊った映像を残したりして。
アメリカはホントどこでも絵になっちゃうんですよ。
街を歩いてて、ここで撮りたいって思ってその場で振り付けを考えて、その場ですぐ撮影して。
そういうノリもスゴく楽しいです」

ダンスで繋がっていく絆の深さを感じた。
さらに現在の活動や今後の動向についてこう語ってくれた。

「D-BLASTというチームは特別な存在にもっていきたいので、今はあえて活動を控えています。
それぞれ力を蓄えてまた集まれるように。
今はYABANINJAというチームで主に活動しているのですが、30-40人の大所帯にしたいですね。
それぞれのスキルが高いので、迫力が半端じゃないと思いますよ。
KING OF SWAGというチームもあって、ここのスタジオのインスタラクターは全員入っていて、
全部で12人くらいですかね。
そのチームに入れるかもとか入りたいっていう気持ちで生徒さんが来てくれることもあるので、
見たことないダンサーや面白いダンサーが集まってくれるので、楽しいですね。
スタジオ的にも嬉しいので、一石二鳥という感じもありますしね。
さっきの質問になってしまうかもしれませんが、スタジオの事に関していうと、
他のスタジオでは絶対教えるなって親から教わっているので、ワークショップはあるのですが、
今まで一度も他のスタジオに所属したことはありません。
要は自分の価値を上げていけって意味なんです。
ここのスタジオに来て、Dee君に教えてもらいたいって思ってもらえるような存在になりなさい
っていう思いを受け継いで、ここから発信しています。」

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BILLY’Sでこのシューズを選ばれたのはなぜですか?

「VANSのスリッポンがスニーカーの中でもズバ抜けて大好きです。
それに加えて和柄も大好きなので、すぐ決めました。」

シンプルで真っ直ぐな理由に加えて、こう続けてくれた。

「最近日本についてよく調べてて、
タトゥーもアメリカっぽい柄が多いんですけど、左胸だけ和柄を入れてるんです。
日本の心を忘れないという意味とやっぱりリスペクトが大きいですね。」

海外への興味や関心はもちろん自国への愛を感じる話で心が暖まった。
また、着用シーンや理由も氏らしい

「踊りやすさとかはあんまり考えていなくて、単純に見た目がカッコいいから踊る時に愛用しています。
一方、コンビニに行く時に靴履くのがちょっと面倒くさくてサンダルとか履いていく人もいると思いますけど、
僕の場合はスリッポンを履いていきます。
好きすぎて、アメリカ行った時にAKIRA君にもVANSをプレゼントしちゃいました。」

芯があり、オリジナリティを追求し周りの人を魅了している氏の
変わらない部分と進化していく部分の両側面を垣間見れた、とても良いお話を飾らず心地よい空気感で
真摯に語ってくれた。

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Photo : Kei Nakashima

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