ある意味、表も裏も経験豊富なアナーキー氏。
恐縮ながら漠然とした質問に、一切飾らず等身大で語ってくれた。
・原宿
「よく潜伏していますよ。笑
SUNNY C SIDERの店でまったりして、街をブラブラ散歩しています。
よく行く食べ物屋も洋服屋も割と原宿に詰まっていますね。
クラブは渋谷が多いので、昼は原宿、夜は渋谷っていうルーティーンですかね。」
・チャオバンブー
「シンプルに美味いですよね。昼飯食べによく行きます。」
・BILLY’S
「まだアイテムが変わってないだろってくらい、頻繁に行きますよ、月に何回も。
今履いている靴もこの間BILLY’Sで買いました。
今はVANSが1番気になるので、種類がたくさん揃っているのが嬉しいですね。」
![インタビュー写真1](/s_assets/img/usr/freepage/btm/bmtc_detail/vol21/photo1.jpg)
![インタビュー写真2](/s_assets/img/usr/freepage/btm/bmtc_detail/vol21/photo2.jpg)
「世界から見てもこの街並みの綺麗さは半端じゃないと思います。
何にせよ、凄いと思います。交通機関とか飲み屋、車とかビルとか、、、
挙げたらきりがないぐらいだと思います。
僕が外国人だったら、街を歩いているだけでくらうと思います。」
まさに世界でも有数の都市である、この東京。
やはりスピード感の違いはあると、特に強く感じた街について話してくれた。
「前にニューヨークに3ヶ月住んでいたことがあって、その間にジャマイカに行ったんですよ。
ゆっくりしたいなと思って行ったのでキングストンではなく、少し外れたところですけど。
とにかくスローでしたね。
町の人も空気感も。
町のその辺でほぼみんな何かしら唄っているんですよ。
そんな空気感が大好きでしたね。話逸れちゃいましたけど、それも大好きでしたね。」
![インタビュー写真3](/s_assets/img/usr/freepage/btm/bmtc_detail/vol21/photo3.jpg)
多くの人の共感を得る、氏の音楽。
特に男たるやを代弁してくれているリリックは個人的に厚く共感出来る。
氏にとって音楽制作やリリック作りのこだわりとは。
「全てにおいて、ルールはすごく大事だと思います。
ルールが無いと秩序も無くなるし、全てがめちゃくちゃになってしまいますよね。
ただ、そのルールに縛られて小さくまとまってしまったり、つまらなくなってしまうのは違うのかなと思っています。
何かものを作るときは特に。
だから、ルールを破るのではなくぶっ壊しながらということを強く意識して物作りをしています。」
ルールの中で収まらない事は容易に分かるが、
ルールを大切にしている精神が今の氏を形成しているんだなと感じた。
さらにこう続けてくれた。
「僕が送っているものってメッセージなので、伝わらないと意味が無いと思っています。
カッコよくラップ作るとか、うまくラップするとかっていう感覚が無くなってきて、
今はそれよりも言いたいメッセージのひとつをしっかり届けられるようにラップを作っていますし、
少しでも多くの人に伝えられる為ならいくらでも表にも出て行きます。
アンダーグラウンドなところでヒップホップを小さくまとめたく無いので、
もっと色々チャレンジしていきたいですね。」
![インタビュー写真4](/s_assets/img/usr/freepage/btm/bmtc_detail/vol21/photo4.jpg)
経験の中で感じた事、思った事も多いという。
「自分の生い立ちについて語られる事もあるんですけど、
僕は全く後悔もしていなくて、むしろ良い環境だったと思っています。
そこで育ったからこそ言える事も多くあります。
今の自分がいさせてもらっているのは、まさにあの環境で育ったからなので、すごく感謝しています。
周りの人全てが家族のような信頼関係や、リスペクトが持てる環境ってあんまり無いかなと思います。
すごく救われたし、めちゃくちゃ楽しかったです。
だからもし、自分の住んでいる周りに子供がいて困っていたり泣いていたりしたら、手を差し延べたいですね。自分が子供の時に当たり前にそうしてもらっていたように。」
自身の感じとる力と環境の良さが重なった事で形成される人格に感銘を受けた。
「元々、ものを作る事自体が好きだったんですよ。
絵を描くのも好きですし。
音楽やっていなくても、何かしら物を作る仕事をしていたと思います。
もちろん、曲を作っていく中で苦労する事も大変な事も追い込まれる事もあるんですけど、
出来上がった時の達成感は最高ですね。」
渾身の最新作、アルバム内の曲ごとに沿った映像を拝見させてもらった。
展開が面白く、氏が伝えたいメッセージが耳だけではなく、観る事によってさらに深く伝わってくる
ライブはまた違う楽しみがあるという。
「ライブは遊びですね。
ステージは完全に僕の遊び場です。
なので、ライブに失敗はないです。
鬼ごっこに失敗ってないじゃないですか?それと同じで遊びに失敗はなくて、全部が楽しめちゃうんです。
僕はずっと遊びを仕事にしたいって夢を持ってやってきました。
少しずつ叶ってきてお客さんの反応もすごく良かったりして、
その感覚でずっとできているのはすごく幸せな事だと思うし、やっぱライブは最高ですね。
あれを仕事と思ってしまうと双方にとってとてもつまらないものになっちゃうんじゃないかなって思うんです。」
“遊び”という言葉がこれだけ重厚に聞こえた事は氏の信念と誇りによるものだなと感じた。
さらに“遊び“相手についても氏らしいこんな事を語ってくれた。
「ラップを始めた中学くらいの時から、ずっと一緒にやっているDJのヤツと
今でもライブさせてもらったりツアーも一緒に回っています。
まさに仲間も含めガキの頃に遊んでいた感じそのままで今やらせてもらっているので、とても幸せですね。
夢があったほうが何をしていても楽しいですよね。
大きくても小さくでも。
後付けでもいいと思っているんです。
何かが出来た時に、これは夢だったんだって語るのも良いと思います。
それでまた次へ行けるのであれば。
クリエイションする事にしても遊びにしても、しっかり楽しめるようにしてくれるのが
夢を持つという事なのかなって最近になって思うようになりました。
自分でハードルを作ってそれを越えていく楽しさを忘れないようにしていきたいですね。
夢を持った方がいいよって常に言い続けています。
持てって言われて持てるものでも無い気がしますけど、
その意識さえあれば色んな事を夢に変えられると思います。」
若い世代へのメッセージとしてこのように続けてくれた。
「僕が20代でできなかった事を今の二十歳の子達には叶えて欲しいですね。
そういった意味では、その子達に僕の夢を託しています。
若いラッパーと話している時にも、
俺は25歳でランボルギーニに乗れなかったけど、お前にはまだ可能性があるからって。
遠回しは嫌いなので、はっきり言葉で伝えます。
そうすると若い子達ってそれで夢持ってくれるんですよ。
そんなの最高じゃないですか?
ただ、彼らだけだと出来ない事もあるので、それは僕がやっていきます。
ホントなんでもなれちゃう気がしまうよね、夢を持っていると。」
説得力が違う気がした。
![インタビュー写真5](/s_assets/img/usr/freepage/btm/bmtc_detail/vol21/photo5.jpg)
「これは何回も買っている靴です。象徴的なモデルでもあるし。
SLIP ON以外にも履きますけど、このチェス柄はSLIP ONが一番好きですね。
昔は夏しか履かなくて、夏はVANS冬はエアジョーダンっていうルーティーンだったんですけど、
最近はVANSが抜けなくなってきて年中履いています。
もうライフスタイルの一部ですよね。
サンダルがあまり好きじゃなく、スニーカーがとにかく好きなので、海に行く時も履いてます。
海パンにVANSです。
家帰るとVANSを箱に詰めておくんです。
それで、履く時に引っ張り出して。
たまに縒れちゃっている靴もあるんですけど、全然気にならないし、それを普通に履いていきます。
それが出来るのもVANSの魅力ですよね。
エアジョーダンだと一回しまったら、次出すのに少しハードル上がります。」
そしてこんなこだわりも。
「あえて家で寝かしています、黄色くなるのを待ったり。
モノによっては少し汚れたり、黄ばんだくらいがカッコいいのありますよね。
昔は綺麗なスニーカーしか好きじゃなかったんですけど、
今では新品の状態の時よりむしろ使い倒していた方がカッコいいかなって思っています。
それがしっかりハマるVANSはめちゃくちゃカッコいいと思います。」
夢を持ち、信念を曲げずに進んできた氏の言葉は、とても深く全てにおいて説得力がある。
それを飾らずに淡々と語ってくれた。
![インタビュー写真6](/s_assets/img/usr/freepage/btm/bmtc_detail/vol21/photo6.jpg)
![インタビュー写真7](/s_assets/img/usr/freepage/btm/bmtc_detail/vol21/photo7.jpg)
Photo : Akira Onozuka
CHOICE ITEM : VANS "CLASSIC SLIP-ON"